写真と解説


気品・風情・豊穣・軽妙洒脱・勇壮・華麗・良輔師との相舞」など
新宮師の特色ある芸風を写真とともにお送りしていきます

素踊り 四種

 長唄 「助六」                 長唄 「たぬき」                 清元 「うかれ坊主」      長唄 「旅」 
蛇の目傘と尺八のお馴染み姿
独特の色気で成熟した
江戸文化を感じる粋な作品 
「文福茶釜」「カチカチ山」等
狸話を集め 木樵唄等入り
腹鼓や綱渡り曲芸の
滑稽なしぐさが多いに楽しみ
江戸時代門前で滑稽事を話し
銭を得た「願人坊主」
 チョボクレや悪玉面の踊りと
見応えのある演出
東海道五十三次の道中
四季折々の景色と生き生きと
した人々の動きを織り込んだ
旅の絵巻

衣装 鬘 舞台装置を簡素にした素踊りは 踊り手の力量が計られ 
繊細な表現やスケールの大きい動きなど 直接舞台から感じられる事から
見る側もイメージを膨らませて楽しむ事が出来る
新宮師の確かな表現力と様式美は定評があり 素踊りではそれが一層際立つ



清元 「雪月花」

 「雪」 新宮師   「花」 志揮城師  「月」 扇伯師   「雪」 新宮師
降りしきる「雪」に積もる思いを重ね
冴えわたる秋の「月」に映す姿
咲きほこる桜の「花」に誘われ 
風情ある清元の名曲にのせた 彩り豊かな大変品のある踊り


大和樂「江戸風流」

オランダ写しの銅版画 人足繁き日本橋 北斎人の別離の姿を描く ここ吉原は仲の町
客と太夫の手練手管は   人波にもまれもまれて  水芸のはじまりはじまり  富士の嶺は
                酔心地 
                   白く光れり     




葛飾北斎 「富岳三十六景」 より 


江戸の町々を 「阿蘭陀遠眼鏡」で のぞく場面から始まる 「江戸風流」
 朝発つ人々の日本橋 上野 吉原 浅草の見世物小屋 両国の屋形舟 
江戸の名物 火事と喧嘩 そして 白雪に輝く 富士山を仰いで幕になる

藤間良輔師の名作のひとつ
情緒溢れる 「大和楽」の曲に
当時の市井の 生き生きとした人々の なりわい
出会いと別れ 客と太夫 川の流れと江戸の華など
様々な風景を 北斎の筆に載せて作舞

新宮師の最も得意とする作品
夫々の情景を 詩情豊かに 確かな描写で演じ
品良く洒落て 一段と楽しい 江戸前の舞台である 

時々の舞台によって選ばれた 3種の衣装も お楽しみ下さい