藤間良輔先生の思い出

「曽根崎心中」(義太夫) 平野屋手代徳兵衛 藤間良輔 
                天満屋遊女お初  藤間新宮

                                                    写真をクリックすると大きくなります
藤間良輔先生プロフィール
 
昭和2年生まれ 故四世花柳芳瞠師(先代芳次郎師)の内弟子として修業
その後藤間勘寿郎師に望まれ藤間流に転じ 二代目藤間良輔となる
舞台テレビ等多方面で活躍し 大家元藤間勘斎師の傘下にある「藤の会」同人であった
常に新鮮な振付けと行動力は今も高く評価されている
異母弟であった故藤山寛美氏の松竹新喜劇の舞台振付けも手伝っておられた

            藤間新宮先生にお聞きしました


  新宮先生の故郷 和歌山県新宮市に良輔先生が出稽古に来られたのは
A  昭和25.6年でした 
   「大阪から良い先生が来られるから行きなさい」と母から言われて入門しました


Q  子供の頃から指導を受けられましたが お稽古の印象は
A  大変怖い先生という印象でした   
   泣いて帰る子もいましたね
   とても稽古熱心な先生で 夏場には御自身浴衣を2,3枚着替えながら 
   一生懸命身体を使って教えられました

Q  厳しい稽古で踊りを止めようと思った事は
A  それは一度もありませんでした

Q  子供時代 特に思い出となった舞台は 
A  「お夏狂乱」(常磐津)です 
   中学校3年です  
   日頃の稽古はとても厳しかったのですが
   舞台が終わり「良かったよ」と褒めて頂いた思い出です

Q  数多い共演の中 最も心に残る作品を1つ
A  「曽根崎心中」(義太夫)です 
   難しい役でしたが 良輔先生の胸をお借りして
   勉強させて頂きました

Q  良輔先生と踊ってみたかった作品は
A  「新口村」(義太夫)です

Q  松竹新喜劇に参加された頃の思い出を
A  1ヶ月もの間 役者さん達と同じ楽屋入りし 
   藤山寛美先生や皆様に御挨拶から始まります
   お稽古 支度 本舞台と毎日過ごす中で 
   普段見る事のない世界を味わう事が出来ました
   驚きや発見も多く 貴重な勉強と体験になりました 
   寛美先生とは藝に関する感性がとても似ておられ やはり御兄弟だなと感じました

Q  良輔先生の御指導で最も大切にされた事をお聞かせ下さい
A  基本を踏まえた上で 曲想を理解し 表現力を付けて役作りをする事です

Q  良輔先生に対するお気持ちを
A  舞踊家として稀にみる才能の持主であられた方だと思います
   その先生の厳しいご指導を子供の頃から受ける事ができ
   踊りに対する心構え 表現方法 舞踊家としての在りかたを学びました
   私が今日あるのも先生のお蔭と感謝しています